My fair Lady~マイフェアレディ~
彼は不機嫌な俺を抱えて困ったような顔をした後、どうにかして気を引こうとしたのかおもむろにウサギのぬいぐるみを掴んでその鼻先と俺の鼻先をくっつけたりして生き物のように揺らして見せた。
動くものに敏感に反応するのは生き物であれば当然の事で俺は目で動きを追う。

「ほら、可愛いだろう?」

ふわふわの白い毛を俺の頬にあてて意識をこちらに集中させようとする。俺も単純な思考をしているらしくて、あっさり彼の思惑通りに事が運んでしまった。

「どれか、気に入ったのはあるか?」

ウサギのぬいぐるみを持つ俺に彼は優しく問いかけてきた。俺は先ほどの自分サイズのテディベアを思い出し、「クマ!」と叫んだ。
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