My fair Lady~マイフェアレディ~
ユウには二日寝込んでいたと言った。
傷の酷さをあまり教えたくはないし、ネオードにもそう言うつもりだったからだ。

俺は出来るだけ普通にしていた。
どう、振舞ってやればいいのか正直わからなかった。

歌をうたう事で、気まずい沈黙を忍んでいた。



ユウは俺にとって美しすぎるのかもしれない。
俺はとても、醜く、汚れている。

少しでも、俺はユウに近づきたい。
俺にはもう、この手を綺麗にする方法は無い。

ならば……ユウをオトシテしまえばいい。



まだ、そんな考えがどこかに潜んでいたようだった。


俺は、無意識に。
“あの”スープをよそってユウに与えていた。

微かな、興奮が身柄に巡ったのは隠しようもない真実。
やはり、ユウが目覚めてしまうと俺は。


狂ってしまう。


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