My fair Lady~マイフェアレディ~
二日後。
俺達は街に来ていた。
穏やかだった。
賑やかな街並みもとても後ろの方で聞こえるようだった。
車椅子でカラカラと音を奏でながら巡る町はどこも思い出で溢れ返っていた。
ズキリと胸が痛んで。
ユウを見た。
穏やかな顔をしていた。
愛おしいその顔は満面のとまでは流石に行かないが儚さを感じさせる微笑をしていた。
まだ、10歳の子供には合わない、その微笑み。
それでも、俺の目を見て、俺の声を聞き、答えてくれるだけで。今の俺には充分すぎるものがあった。
普段では買わないようなものを買って食べて。
蜜柑をもらったり、帰りにフルーツを買う約束をしたり。
少し、あの頃に戻ったような気がした。
そこへ青年が一人駆け寄って来た。
前に見た事ある。確か、ユウの親友のカイト。
俺はそいつの質問をやんわり返してやる。
中々聞き分けのいい奴ですぐに去っていった。
帰ろうと、ユウは言った。
恐らく彼に用があったのだろう。
用事は済んだようだ。
俺も「そうだな」と答えて車椅子を押す。
俺達は街に来ていた。
穏やかだった。
賑やかな街並みもとても後ろの方で聞こえるようだった。
車椅子でカラカラと音を奏でながら巡る町はどこも思い出で溢れ返っていた。
ズキリと胸が痛んで。
ユウを見た。
穏やかな顔をしていた。
愛おしいその顔は満面のとまでは流石に行かないが儚さを感じさせる微笑をしていた。
まだ、10歳の子供には合わない、その微笑み。
それでも、俺の目を見て、俺の声を聞き、答えてくれるだけで。今の俺には充分すぎるものがあった。
普段では買わないようなものを買って食べて。
蜜柑をもらったり、帰りにフルーツを買う約束をしたり。
少し、あの頃に戻ったような気がした。
そこへ青年が一人駆け寄って来た。
前に見た事ある。確か、ユウの親友のカイト。
俺はそいつの質問をやんわり返してやる。
中々聞き分けのいい奴ですぐに去っていった。
帰ろうと、ユウは言った。
恐らく彼に用があったのだろう。
用事は済んだようだ。
俺も「そうだな」と答えて車椅子を押す。