My fair Lady~マイフェアレディ~
その言葉に男は急にガタガタと震え出した。腰が抜けてその場にペタリと座り込む。
逃げようとしているとこへ銃で関節を壊す。
「ぎゃああああっ!!」
賑やかな通りにはこの声は届かない。
すると、男は気が狂ったかのように笑い出した。
「へへへ……なんだ俺が最後か……おめぇ聞いてなかったのかぁ~?」
男は脂汗を掻き、笑みを浮かべる。身柄が震えてる事から笑ってる状況ではないはずだ。
「俺は女房に捨てられてね。失うのものなんて何にもない!どうせ殺されるならって金をこうして使いこんでたのさ……。だから死ぬのなんざ怖かねぇ……」
「……」
この男の身の上なんざどうでもいい。俺はさっさと終わらせたかった。
なのに。
「死ぬ前に教えてやる……お前の弟は外に連れ出された時、なんて言っていたと思う?」
俺の動きが止まる。
「『ロードは俺を一人になんかさせない。絶対に、追いかけてきて、傍にいてくれる』そう、言ったんだぜぇ……」
俺の頭が真っ白になった。