My fair Lady~マイフェアレディ~

その日から。

俺はユウを毎日のように抱いていた。少し抵抗されたけれど。
もう少しだから、もう少しだから。と言って。



もう少しで、俺は死ぬから。



だからお前の匂いを心地を最後だけ俺に。



飾り付けをしよう。
愛しい子の眠るベッドに飾りつけ。



これで、俺を見放してしまえば、いい。



叫び声が耳に心地いい。


カタン!と俺の中で何かまた音を立てた。
怖がるユウに笑みが零れた。


ああ、服が汚れてしまった。変えてやらなくちゃ。


俺はユウを抱えて、地下を出る。

泣かないで。泣かないで。
今、お前の好きなぬいぐるみを持って来るから。



戻って来たとき、ユウの姿はどこにもなかった。



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