My fair Lady~マイフェアレディ~
『手触りのいいものを。それと俺に似合うもの。それからこの子の分も』
白い手。黒い服装。クリーム色のマフラー。
『どうだ?』
ユウは考えた。
俺はどうして、逃げているのだろうか。
ずっと、彼を疑っていた。
彼は殺人鬼だと思った。
だから。
殺人鬼はどうして、俺を拾った?
「俺、何も見てなかったんじゃないの……?」
その場に座り込む。
ズキリと腹が痛んだ。
狂った殺人鬼が、どうして憎き子供を拾った?。
彼の瞳を何度見て来た事か。
この6年間。俺は本当に。
幸せだった。