My fair Lady~マイフェアレディ~

『手触りのいいものを。それと俺に似合うもの。それからこの子の分も』


白い手。黒い服装。クリーム色のマフラー。


『どうだ?』


ユウは考えた。

俺はどうして、逃げているのだろうか。


ずっと、彼を疑っていた。


彼は殺人鬼だと思った。
だから。


殺人鬼はどうして、俺を拾った?



「俺、何も見てなかったんじゃないの……?」


その場に座り込む。

ズキリと腹が痛んだ。


狂った殺人鬼が、どうして憎き子供を拾った?。


彼の瞳を何度見て来た事か。

この6年間。俺は本当に。




幸せだった。





< 483 / 509 >

この作品をシェア

pagetop