My fair Lady~マイフェアレディ~
その頃ユウは馬を預けた場所に戻って来ていた。
馬を返してもらって急いで彼の元へ行かなければならない。
だが、直ぐにユウは物陰に隠れた。
そこには五人の男達が中年の男を取り囲んで話を聞いていた所だったのだ。
これではもうランは連れ出せない。
男達は中年の話を聞き終わると、二手に分かれて駆け出した。三人は大通りを走り、残りの二人は中年と共に。
恐らく挟み撃ちにする気だったのだろう。
ユウは深く息を吐いた。
もし、あのままだったらと思うとゾッとする。
男達が去ってから少し時間を置いて、完全に人の気配が無い事を確認してユウは街を出て、元の草原に戻った。
ランは中年が連れていってしまったせいでいない。
なので、ユウは自分の足で動かなければならない。