My fair Lady~マイフェアレディ~
ロードはわからなかった。
ユウが言おうとしている事が理解できなかった。
「ごめんね、パパン」
「どうして謝る?」
ユウはロードの腕に縋った。懐かしい感覚が涙を誘う。
「パパン、ずっと、苦しかったんでしょう?」
ロードは固まる。
「ずっと、俺が、パパンを傷つけて……」
「違う!そんなんじゃねえ!!俺が……!!」
ロードの怒鳴りにユウは笑みを浮かべた。
「俺の父親が……パパンの大切な人を奪ったんだよね……?」
「………」
「どうして俺を育てたの?」
「お前に罪なんかない……」
ロードは必死で顔を背けていた、真っ直ぐに見つめてくるユウから逃げるように。
それをユウは追う。
「パパン、パパン、覚えてる?ねぇ野苺でゼリー作ったよね?」
「………」
「美味しかったねぇ、ネオもさぁ一緒に作ればよかったのに……。ランに初めて乗った時なんかさぁ、俺全然乗れなくて動くたんびにパパン呼んでさぁ~今じゃ考えられないよね……」
「……何を言って……」
「好きだよパパン。大好き」
ロードは目を見開き、ユウを突き飛ばした。
ユウはそれに抵抗出来ずに尻餅をつく、ロードはヨタヨタと後ろに下がった。
「何を言っているんだ!!俺は、俺はお前を……!!俺は……!!」
「狂ってなんかいない!!」