My fair Lady~マイフェアレディ~

ロードはわからなかった。
ユウが言おうとしている事が理解できなかった。

「ごめんね、パパン」

「どうして謝る?」


ユウはロードの腕に縋った。懐かしい感覚が涙を誘う。

「パパン、ずっと、苦しかったんでしょう?」

ロードは固まる。

「ずっと、俺が、パパンを傷つけて……」

「違う!そんなんじゃねえ!!俺が……!!」

ロードの怒鳴りにユウは笑みを浮かべた。


「俺の父親が……パパンの大切な人を奪ったんだよね……?」

「………」

「どうして俺を育てたの?」

「お前に罪なんかない……」


ロードは必死で顔を背けていた、真っ直ぐに見つめてくるユウから逃げるように。
それをユウは追う。

「パパン、パパン、覚えてる?ねぇ野苺でゼリー作ったよね?」

「………」

「美味しかったねぇ、ネオもさぁ一緒に作ればよかったのに……。ランに初めて乗った時なんかさぁ、俺全然乗れなくて動くたんびにパパン呼んでさぁ~今じゃ考えられないよね……」

「……何を言って……」

「好きだよパパン。大好き」

ロードは目を見開き、ユウを突き飛ばした。
ユウはそれに抵抗出来ずに尻餅をつく、ロードはヨタヨタと後ろに下がった。


「何を言っているんだ!!俺は、俺はお前を……!!俺は……!!」

「狂ってなんかいない!!」


< 491 / 509 >

この作品をシェア

pagetop