My fair Lady~マイフェアレディ~
何故って自分が俺のパパンになるって言ったんじゃないかと、俺は思った。しかし、そこは飲み込んで俺は聞きたい事を聞く事にした。


「パパンに聞いてもいい?」

「いいぞ」



「パパンは俺の前のパパンが嫌い?」

「ああ、嫌いだ」


スッパリと切り捨てるように言った。余りにハッキリ言うものだから俺は一瞬息が詰まってしまった。

「どうして?」

「俺の大切なモノを奪ったからだ」

そう言う彼の瞳はどこか虚ろで。心ここに在らずだった。そして強く追求する事を拒んでいた。
だから俺はそれ以上何も聞かなかった。

「…そっか。…俺ねぇ、運動とか勉強とか全然ダメでお友達とかいなくてさ」

彼は静かに目を細めて俺の話を聞いていた。


「パパンもママンも別にそれでもいいんだって言うけど、でもやっぱり悲しかったんだ。
それでね、ある日パパンとママンが喧嘩をしてたの。普段仲良しなのに、びっくりしちゃった。
パパンが出て行くんだけど、それで俺を連れて行くかどうかを話してたみたい」


ケラケラと笑いながら話しているのに彼は苦い顔をしていた。何を考えているのかさっぱりわからない。
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