My fair Lady～マイフェアレディ～
しばらく歩いて俺と彼は森についた。
緑の葉は青々と茂り、太陽の光を両手を大きく広げるようにして浴びている。
さわさわと揺れる木漏れ日。
草木の爽やかな香りが鼻から全身に染み渡るようだった。
とても美しい森だった。


「綺麗なとこだねぇ」


俺が目を輝かせて言うと、彼もそうだろう？と笑って答えた。
俺は彼に手を引かれて森の奥へと入って行った。

周りを見渡せば見たことのない花や虫、動物達がいた。
俺の心は高揚してドキドキと心臓が波打ち自然と笑顔になってしまう。

そんな俺に気付いてか、彼はゆっくりとした歩調で歩いてくれた。


ほんの少し先にあった空き地のようなぽっかり開いた空間に馬が二匹いた。
茶色の仔馬とガッシリとした体格のいい馬だ。
仔馬と言ってもこの大きな馬に比べて二周り程小さいだけだ。
その二匹の馬を彼は優しく撫でていた。


「この二匹はとても賢い馬なんだぞ」

「パパンの馬なの？」

「いや、俺の友の馬だ」

「へー」

彼は言いながら俺を手招きして俺を抱き上げると、馬を撫でさせた。
俺は馬の堅い身柄になんだか興奮してしまい「ひゃあ…」と奇声を上げてしまった。早く乗りたくてたまらない。
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表紙・目次

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