図書室の彼にはご用心?!
キス
side kurumi
私は朝からすこぶる機嫌が悪かった。
それもこれもアイツのせい。昨日のこと−−−−
「っこっの!へんたいーー!!」
私はアイツに向かって叫ぶと同時に手を振り上げた。理想にはバチーンとすばらしい音と共にビンタをかましてやろうと思ったのに・・・
バッチーン、ガリッ
上手くいった!
ざまあみろ!!
・・・ん?ガリ?
「いってー・・・」
アイツの顔を見ると、長々としたひっかき傷。
「え?へ?ええ?!!」
アイツの顔の傷と私の手を交互に見る。
あ・・・爪伸びてる・・・
どうやら、ビンタをかます時に爪で引っ掻いたらしい。そりゃもう、目の下から口元近くまで長々と。まるで猫にやられたみたいな事になってる。
ひーーーー!!!
やらかしたーー!!
とりあえず、アイツの機嫌をとろうと引きつった笑みを浮かべてみせる。