図書室の彼にはご用心?!
「姫野胡桃(くるみ)です。」
私はおずおずと答える。
「ふーん。くるみ、ね。・・・で?」
「で?」
アイツはさっきと打って変わって、興味なさそうな態度。
私は思わず目をしばたいた。
人の名前にふーん、って!
顔に似合わず可愛い名前で
悪かったわね!!
しかも、で?、って何さ?!
「これ。どうしてくれんの?」
アイツは顔の傷がよく見えるように、私の方に顔を少し傾けて笑みを浮かべる。でも、目は全然笑ってない、というより、背後に吹雪みたいなのが見えるくらい冷たい笑顔を送ってきた。
「う・・・、えっとですね、それは・・・」
アイツが笑ったから危機を脱したと思ったのに、瞬間で元通り。いやーな汗が出そうになる。
「何かお詫びしてもらわないとな。」