図書室の彼にはご用心?!
「へっ?ちょっ・・・」
私が声をかけるも、暁先輩は後ろ手にひらりと手を振って行ってしまった。
な、な、何なのーー!!
怒りやら恥ずかしいやら、何やらで顔が真っ赤になる。
頭くらくらしてきた。
カツン、と足に当たった私の携帯を拾う。パカッと携帯を開けて、目を見開く。アドレスの登録画面が表示されてる。丁寧に、「一条 暁」と、本名で暁先輩のアドレスが入っていた。
・・・いつの間に・・・?
マジシャンですか、彼は・・・
いったいいつ携帯を落としたんだろう、とか考えてたら、何だか暁先輩の早技に呆れて笑ってしまった。