図書室の彼にはご用心?!
本棚の上は普通に背伸びしても届かない。木の階段みたいな台を持ってこなきゃならない。
郁美のやつ、分かっててやらせたな!
ハードカバーの本を膝に抱えて込むようにして、台を屈みがちに引っ張る。無理な体勢に足がつりそうになりながらも何とか、本棚の前に持ってきた。
台の階段は5段。身長がない私は一番上まで登らなきゃならない。
高いとこ怖いのにー!!
郁美のバカー!!
声を出したら、また顰蹙(ひんしゅく)を買うから、心の中でひたすら文句を言いながら、そろーっと上がる。
下を見ちゃダメだ!
絶対落ちる!!
涙出そう・・・
もう、足なんてガクガクきそうだが、本を直し始める。