<コラボ小説>偉大な緑の協力者~トリガーブラッド~
 アザムがシャワールームの扉をしめて、暫くしたらスピーカーから声が聞える。

[ベリルとも、もうすぐお別れか……滅多に無い機会だったのになー!]
「私はもう懲り懲りだ……まあ、お前が居なければ私の知識だけでは辛かったのは確かだよ」

 スピーカーでリッキーと会話するベリル。
 
 リッキーはアザムが発病してから、実はというとベリルの観察どころではなかったのだ。

[ねえ、アザム君の中に居たウイルスって……フィロウイルス科――]
「さあ、私は何も知らんよ。知ってても言わない事くらいお前なら分かっているだろ」

 不適な笑いを見せるベリルに、苦笑いを見せるしかないリッキー。

[はは、どっちにしても二人がここを出るときデータはベリルが全て消す約束だからね……]

 ベリルはリッキーが不正とか絶対しない人物だと信じているからこそ、笑い話のように話している。

 風呂から上がってきたアザムは気持ち良さそうな顔をしている。
 気を利かせてベリルはスポーツドリンクを渡してやる。

「後は十日ほどかけて、体力をある程度回復させる事だ。まずこの部屋の中でせいぜい歩くんだな」

 外傷のあるものではないので、歩いたり、筋肉のトレーニング等と食事で体力を戻していく方法をとる。
 ベリルはアザムの体力回復に一番良いとされる食事を毎日作ってやる。
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