<コラボ小説>偉大な緑の協力者~トリガーブラッド~
アザムは自分のために悲しそうにしているベリルを見る。
しかし、ベッドに乗った勢いでシャツの中から飛び出たペンダントが、アザムの目に入った。
(誰も信用なんて出来ない)
アザムは叔父や親戚に貰われる度、希望を抱かなかった訳ではない。それも、裏切りの繰り返し。
貧困と争いの中現れた引き取り手。“新しい父親”というものに、小さな希望を抱かなかったと言えば嘘になってしまう。
結果はもっと残酷なものだった。アザムは本当の“物”でしかなかった。
予防接種だと信じ込ませて打たれた薬は、人を、他人を殺すだけのもの。ジュースの中には入眠剤が混入されていたことを、飲んでからの記憶が無い事ため気が付いた。
唇を噛み、首にかけられた“本当の家族”を握り締めている。そして小さく呟く。
「レイさんの嘘つき!!」
「――アザムそのレイって人は会社の奴か?」
「うん、偉い人だと思う。社長に毎日会いに行く人だし、会社の皆が軽く頭下げていた」
答えながら座ろうベッドに座ろうとした時、アザムの腰より後ろの辺りに何かが見える。それはレイが会社を出るときに付けたヒップバッグ。
ベリルはそれが不自然な位置なため気になり、中身を確かめるように言う。アザムがバッグを開け中身を確認すると革袋が出てくる。
「――なんだろうこれ?」
そういってベリルに渡し、皮袋の紐を解いて二人で中を覗く。
中身は簡単なカットをのみされた宝石達。近くにあった小さなテーブルに出してみる。
「ちゃんとしたカットをすれば価値は変わるだろうが……これで五万ドルくらいにはなる」
概算だが値段を出してみるベリル。
しかし、ベッドに乗った勢いでシャツの中から飛び出たペンダントが、アザムの目に入った。
(誰も信用なんて出来ない)
アザムは叔父や親戚に貰われる度、希望を抱かなかった訳ではない。それも、裏切りの繰り返し。
貧困と争いの中現れた引き取り手。“新しい父親”というものに、小さな希望を抱かなかったと言えば嘘になってしまう。
結果はもっと残酷なものだった。アザムは本当の“物”でしかなかった。
予防接種だと信じ込ませて打たれた薬は、人を、他人を殺すだけのもの。ジュースの中には入眠剤が混入されていたことを、飲んでからの記憶が無い事ため気が付いた。
唇を噛み、首にかけられた“本当の家族”を握り締めている。そして小さく呟く。
「レイさんの嘘つき!!」
「――アザムそのレイって人は会社の奴か?」
「うん、偉い人だと思う。社長に毎日会いに行く人だし、会社の皆が軽く頭下げていた」
答えながら座ろうベッドに座ろうとした時、アザムの腰より後ろの辺りに何かが見える。それはレイが会社を出るときに付けたヒップバッグ。
ベリルはそれが不自然な位置なため気になり、中身を確かめるように言う。アザムがバッグを開け中身を確認すると革袋が出てくる。
「――なんだろうこれ?」
そういってベリルに渡し、皮袋の紐を解いて二人で中を覗く。
中身は簡単なカットをのみされた宝石達。近くにあった小さなテーブルに出してみる。
「ちゃんとしたカットをすれば価値は変わるだろうが……これで五万ドルくらいにはなる」
概算だが値段を出してみるベリル。