未来への空
《スカイタワー前。スカイタワー前・・・。》
空気の抜ける音と共に扉が開いた。
「んじゃ、いくかぁ。」
軽い足取りで歩き出す兄達とは逆に私は踏み出せない。
「大丈夫だから。。。」
千春が私の手を引っ張った。
「園長先生は私たちの幸せを願ってる。」
「そうだったね。」
私が微笑んだ先にそこに居るはずのない人がいた。
金髪で銀色のピアスを何個も付けてホストのようにスーツを着こなしている彼は五年前の彼からしたら想像できない姿だった。
「うわ。ラブラブ新婚さんいるし。」
「お。大空じゃん早くね?」
兄が大空の頭を殴った。
「愛人に会いたくて仕事上がってきた。」
「うれしいねぇ~」
またバカな会話を・・・
この二人は何にも変わってないな。