カラダだけでも愛して
わざと口元をあげ笑った。
そしてそのままあたしは直矢の家を出た。
あたしが一歩踏み出したときにはドアがパタンと閉じた。
直矢の部屋から出ると外には朝日が出てきていた。
少し寒くてあたしは巻いていたマフラーを鼻あたりまであげた。
さっきまであった直矢のぬくもりはない。
直矢が必要なあたし。
あたしなんかセフレとしか思ってない直矢。
繋がっても、気持ちだけは繋がらない。
そんなことを考えてたらあたしの頬に一筋涙が流れた。
♪ブーブー、ブーブー♪
マナーモードにしてあったあたしのケータイがポケットで震えた。