カラダだけでも愛して
誰にも負けないくらいって自信あるよ?
でもそれだけじゃ、心から愛してるって言えないのかな……。
いつのまにか直矢は電話を切ってあたしにちかづいつきた。
「時間……大丈夫なの?」
あたしは下を向いたまま聞く。
「んー。まだいいよ。だからいて?」
直矢はあたしを抱きしめながらいった。
直矢の爽やかな大人の香りが鼻をくすぐる。
あたしより心もカラダも大人な直矢。
やっぱ高校生なんて遊びの対象でしかないよね……。
そんなことを考えてもあたしは直矢の背中に手をまわす。
大好きな直矢を今だけでも感じていたいから。
直矢の背中のあたたかさも。
あたしの頬に動く直矢の指先も。
そして直矢の薄い唇も……。