カラダだけでも愛して
「……だから街には出たくないと言ったんだ。」
奈々香はまわりの人をにらみながら言った。
「もう!だだこねてないでいくよ!!」
あたしは奈々香と手を繋いで歩く。
奈々香はあたしの手をはなした。
「一人で歩ける。レズじゃないんだからな。」
奈々香は顔に似合わない冷たい一言を言うとあたしの前を歩いた。
やっぱ冷たいな……
あたしが軽く落ち込んでいると奈々香がくるっと振り向いた。
「なにしてる?行くんだろ?買い物。」
奈々香はふっと微笑みながら言った。
「う、うん!!!」
あたしも思いっきり笑顔で奈々香の隣にいった。
やっぱり奈々香は大好きな友達だよ………。
「で?なんでここなんだ?」
あたしたちが来ているのはファッションモール。