カラダだけでも愛して
奈々香は……
「人が多い!!無理だ!!」
結構な引きこもり。
さっきだって途中まで街歩いてたんだけど、「やっぱ無理だ!!」とか言って車呼んだし。
だから昼間も家で寝る。
「おまえはあたしに死んでほしいのか!?」
死ぬやつなんかいねーよ。
あたしはずるずると嫌がる奈々香を引っ張っていった。
「どっちがいいかな〜?……そろそろ怒りますよ奈々香さん?」
あたしは試着室にこもる奈々香にむかって笑いながらキレる。
カーテンからひょこっと顔をだすと
「茶色のがいい。」
あたしの持ってたライダースの色を言うだけ言ってまたこもる。
おまえはどんたげ人が嫌いなんだよ!!
「あの〜、試着室に長時間いられると他のお客様のご迷惑になりますので。」
販売員さんが苦笑いであたしと奈々香に言った。