カラダだけでも愛して
食器が何個も割れてて、本もぐっしゃぐしゃ。
彼氏のうちに泊まるって予定だったから……。
「でも……帰るとこないんですよ。」
涙目になりながらも無理矢理笑顔をつくった。
でもすぐになに言ってんだろうと後悔した。
「すいません。こんな話……。本当にありがとうございました!」
あたしはカバンを持って立ち上がりその場から去ろうとした。
「待ってください!」
あたしは腕を掴まれて引っ張られた。
振り向くとその人は真剣な顔つきをしていた。
けど、その後はすぐににっこりと笑った。
「俺んちでよければどうぞ!」
最初はこの人怪しい人?
とか思ってた。
でも話してるうちにいい人だとわかった。
名前や年。なんでも話してくれた。
そしてあたしの話にも真剣に耳をかたむけてくれた。