カラダだけでも愛して
あたしはただ奈々香の腕を掴みながら歩いた。
なにも喋らず、車で奈々香の家に行った。
でも、流れていたのは重い空気なんかじゃなかった。
「つきましたよ。お嬢様方」
奈々香とあたしはいつの間にか寝てたらしくて、執事の若い男の人に起こされた。
「……んっ?…そうか」
奈々香は不機嫌そうに言った。
寝起きは本当ダメだもんな……。
あたしは奈々香に続いて、開けてもらったドアから出た。
「ちっ……起こしやがって。」
奈々香は舌打ちしながら歩いてた。
あたしはそんな奈々香を見てつい笑ってしまった。
「なにがおかしい?」
奈々香は振り向いてあたしを睨んだ。
でもあたしは慣れっこ。
これぐらいいつもの事。