カラダだけでも愛して
そういうと直矢はあたしからはなれた。
「……どうして」
あたしが小さく呟くと、直矢が“えっ?”と振り向いた。
「どうしてあたしなんかに優しくするの?」
潤んでいく瞳を下にむけたまま話す。
「直矢はなんであたしなんかにかまうの?!」
今までこらえていた思いがいっきに溢れ出した。
直矢といれるならって、我慢してたけどもう嫌だよ………
「知ってるんだよ?直矢には別の女の人がいるって!」
あたしが目線をあわせ、言うと直矢は目を見開いた。
「えっ……?雛……」
その愛しい声で彼女のことも呼んだんでしょ……?
だったら……
「雛なんて呼ばないでよっ!!!」
あたしはベットから降りて部屋を飛び出した。
後ろからはあたしを呼び止める声が聞こえたけど、全部無視した。