カラダだけでも愛して
泣きながらとぼとぼ帰っていた。
本当なにしに出てきたんだろ?
馬鹿だな………。
「いた………。」
“え?”と顔をあげるとそこには奈々香。
「急に出てって、本当馬鹿かおまえは」
奈々香が車の中で言う。
さっき捕まえられて車に乗せられた。
奈々香にも心配かけて、あたし本当馬鹿だよね。
「もう出てかなくていい。おまえはうちで暮らせ。」
奈々香の言葉に目を丸くするあたし。
「あの……今なんて?」
奈々香はめんどくさいというように目を細めてから
「だからうちで暮らせばいいと言っているんだ」
と言った。
可愛い顔であたしを真剣に見つめた。
「おまえは一人じゃない。ちょっとは人を頼れ」
大きな目であたしを見る。
そんな奈々香にあたしはまた泣いてしまった。
だって………優しすぎるよ。
なんであたしの周りにはこんな優しい人達でいっぱいなんだろう……?