リトルベリー
俺は家を出て、歩いた。



━━お詫びに、カツオ節を多目に入れてやろう。

俺は、そんなことを考えていた。



赤い箱が見えてきた。



近所に住んでいるであろうおばさんが、二人歩いて行く。

買い物帰りのようだ。



俺は、おばさんたちの足元に、小さな黒っぽいものを見た。



━━━━━……苺…?



いや、間違いない。

苺だ。

みゃあみゃあと、おばさんにすりよっている。



「かわいいわねぇ。」

「飼おうかしら。」





俺の目に……苺は、とても必死に見えた。





 みゃあぁーーー!!




━━━━生きるため。





そうだ。苺は、生きるために必死だったんだ。





俺は、ポストにアンケートを入れた。





そして、来た道を一人、戻った。
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