カレーライス部
ドアの前。
私は深呼吸すると同時に、
背後の気配を感じた。
すばやく振り返ると、
そこには真田卓朗が立っていた。
「あれ、3組じゃな「5組だよ」
遮られた、そして意味不な発言。
私は呆れて逃げるように
引き戸を開け、教室に入った。
ガラッ。
音に反応してか、
一瞬クラスがシラケる。
無表情でこちらを見ると
また何もなかったかのように
会話を再開し始めた。
やはり出遅れた。
私の席の周りには
皆立ち歩いていて、
誰もいなかった。
友達、できるかな。
不安が現実になったのかも。
そう思うと身体がふわぁっと
浮いたような、変な緊張が生まれる。
「ふぅ」
一つ、ため息をして
自分の席についた。