時空少女
「だが、何もせずに壊されるのを待つわけにもいかねー。
壊されたら、俺らもおわりだからな。


本来、五大天王はなんらかの理由によって大告天に選ばれた奴だ。そして1人ひとりにそれぞれ違う"綺羅"と言われる力を授けた。

まあ、"この世界"の均衡を守るためだろう。

五大天王の中でも翼天は、中立的な力を授けられた。
だが、大告天は気付いたんだ。その翼天が大告天にとってもっとも厄介である、と。


過去に、翼天がいた時期があった。翼天は大告天から"この世界"の主導権を奪おうとした。だから、他の四天王をまとめて大告天に刃向かった。
だが、あと一歩のところで、翼天は負けてしまった。

そして大告天は、また翼天が他の四天王をまとめて、刃向かってきたら負けるかもしれない、と。
次こそ"この世界"の主導権が奪われる、と。

そう危惧したんだ。

だから、大告天は翼天だけを"この世界"から消した。」


「なんでその翼天が私なの?
消したんでしょ?」

消したならいないはず、
沙柚が言う前に燿十が続けた。

「あぁ、消した。"この世界"から…な。だから"違う世界"には、いるかもしれない。
そう思ったが、探す術などない。だから、諦めてた。
そんなとき、お前が現れた。
さっきも言ったとおり、翼天はお前だ。
沙柚は―…
"この世界"を守るため、
俺たちが大告天に抗うために必要なんだ。」



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