時空少女
「おい、そこのお前。」
しばらくの間ぼけーっと立ったまま待っていた沙柚に、誰かが話しかけてきた。
そちらに向くと、顔を真っ赤にした小さな男の子がいた。
「おっおまえ誰だ!!」
沙柚は顔を真っ赤にして聞いてくる男の子に思わず笑った。
「ぷっ。」
「〜〜っな、なぜ笑う!」
余計に顔を真っ赤にした男の子が可愛く思えた。
「ぷぷっ。いや、可愛いな〜と思ったんだよ。」
「可愛くなどない!ばばば馬鹿にすんなっ!」
ヤバい。この子可愛いすぎる!沙柚は、そんな風に思っていた。
「おおお前誰なんだっ!?」
ちょっと、からかってみようか。なんて沙柚は考えた。
「名前を聞くときは、自分から言わなきゃね〜?」
またまた顔を真っ赤にさせて男の子は言った。
「オイラは提灯小僧だっ!さあ、お前はどうなんだっ!」
「提灯小僧って……妖?」
「あっ当たり前だ!なんだなんだ!?馬鹿にすんのか!?」
ずいぶん可愛らしい妖なんだな。と思う。
「そんなんしないよ。私は金田沙柚………沙柚って言ってね!」
「お……おぅ。」
妖って怖くないんだなー、と沙柚は思っていた。