時空少女
もぐもぐもぐ。ごっくん。
「あ。おいしーっ!」
本当に美味しい。沙柚の食はどんどん進んでいく。ニコニコと食べ進める彼女を燿十は淡く微笑みながら見ていた。
「ごちそうさまでしたっ!」
沙柚はぱんっと手を合わせて、行儀良く挨拶した。
お腹いっぱいだな、と思っていると燿十とが言った。
「俺は用事があるから少し出掛ける。沙柚はこの塔の中なら好きなところに行っていいからな。」
「あ、わかった。」
「んぢゃ。」
「いってらっしゃい!」
返事の代わりにくしゃ、と沙柚の頭を一撫でしてから燿十は部屋を出て行った。