時空少女
ねぇ…2人ともなんでそんな悲しそうに笑うの?
"人と妖"ナニが違うっていうの?―…
「椿さ……お藤…ん」
あれ?
沙柚は目を覚ました。あたりを見ても誰もいない。
ここは自分の部屋みたいだ。
昨日どうしたっけ?
沙柚が考えているとき、燿十が入ってきた。
「目ぇ覚めたか…。沙柚、大丈夫か?」
スパンと戸を軽く勢いよくあけた。
「私、なにしてた?」
「お前なぁ〜。椿と藤と風呂入ってのぼせて気失ったんだよ。」
はぁ〜…。と燿十がため息を付きながら言った。
沙柚は自分はのぼせてしまっていたのか…。と納得しつつ、
では誰が服を?まさか、燿十!?
と考え焦りながら言った。
「こっここまで誰が!?」
「ん?あの2人だ。その後俺のとこにきて、お前がのぼせたって聞いたから見に来たんだ。」
そっか。後でお礼言わなきゃ。沙柚はそう思った。
しかし、あの2人の、あの笑顔が頭から離れない。泣きそうな、嬉しそうな……そんな顔。
やはり妖たちは、嫌われてしまっているのだろうか?自分に出来ることはないのか?
燿十は、燿十なら何か知っているのではないか?
沙柚はそこまで考えて、燿十に聞いていいものかどうか迷った。
妖たちにも、聞かれたくないことや言いたくないことの1つや2つあってもおかしくない。
自分がそこまで聞いてしまっていいのだろうか、
沙柚は俯いて考えていた。
「……………‥」
そんな沙柚を燿十はみていた。