時空少女
お手伝い
こちらに来て、はや一週間。沙柚は燿十となんだか仲良くなり、燿十が塔にいるときは、ご飯を一緒に食べたりしている。翔も一緒な時もある。燿十はご飯の後フラリと出掛けて戻ってくる。なんだか気難しそうな顔をしながら。どうしたんだ、と気にしながらも聞いてはいけない。と沙柚は思って見て見ぬ振りをしている。
特にすることもなく、自室でゴロゴロたまに提灯小僧――もといちょーくんと話すくらいで、何もしていない。――――――――これが沙柚の日常だ。
「はぁ、何かしなきゃ……………そうだっ!」
今日もまたいつもと同じように、自室でゴロリと横になっていた彼女は、考えたあげく飛び起きて、名案だ!と言わんばかりに頷いて走っていった。
ところ変わって、此処は三階にある妖たちのお風呂場である。その受付前に沙柚はいた。
「あ、あの〜」
おずおず、と沙柚は受付番の人、に見える妖に話しかけた。
「嬢ちゃんか。どうしただ?今は開いてねーだよ?」
「いや、お風呂に入りたいんじゃなくて、何かお手伝いがしたくて……何かすることありますか?」
戸惑いがちに聞いた彼女に、妖は、パァッと顔を輝かせて言った。
「嬢ちゃん、いい奴だな〜!よし!!一緒に風呂掃除するだよ!」
「、はい!」
沙柚は、優しい妖でよかったな、とか思いつつ後ろをついていった。