時空少女
「ここは……?」
「北の森だ。五大天王の一人、澄乃がいる。」
周りを見ても木しかない。迷子になったら簡単には抜け出せない。そんなオーラが漂っている。
「今から澄乃のとこへ行くが、お前はどーする?くるか?」
「燿十といくっ!」
こんな森の中置いて行かれたら、絶対迷子になる!沙柚はすかさず返事をした。
「よし、行くか。」
燿十と沙柚、2人は並んで歩いていった。
暫く歩くと、沙柚は、ふと空気が変わったような気がした。
さっきまであった、何かがないような、軽いような、
なんだか――
「澄んでる……?」
燿十が驚いているような顔で、沙柚をみた。
「お前、わかったのか?」
燿十が尋ねると、何を?と沙柚は首を傾げている。
燿十は、正直なところ沙柚は鈍いと思っていた。だが、彼女は変なところで鋭い。
気付かないならそのままでいいか。と言わないつもりだった。だが、彼女は気付いたみたいだ。ここは、
――そう、たしかに空気が澄んでいるのだ。
ここは、澄乃の結界が張られていて、強い妖は入れないようにされている。そのせいか、空気が妖たちがいるところより、清められている。
もちろん、燿十は弱いわけでわない。ただ、"入れる体"を持っているのだ。