時空少女
ぱたん――――
沙柚が部屋を出て行った。澄乃は燿十を見ながらニヤニヤ笑う。そんな澄乃を見て、燿十は眉を寄せた。
「気持ち悪りぃ顔。」
「いや〜。燿十があんなけ心開いてるとは思わんかったわ!」
燿十は余計に皺をよせた。澄乃は相変わらずニヤついた顔で彼を見る。
「はぁ。沙柚はそんなんじゃねーよ。」
「ほんまか〜?」
「―――――あいつは翼天だ。」
「、!――――――それどういうことや?」
辺りは先ほどまでの空気とは打って変わって、ピンと張り詰めていた。
この場にほかの者がいたら、おもわずゴクリと生唾をのむだろう。
「ここへ来たのは、いつもの用件じゃねー。」
「沙柚ちゃんについて、ってゆーことか。」
「ご名答。」
ニヤリと燿十は笑う。澄乃も同じように笑った。
「聞かしてもらおか。なんやらおもろそーやしな。」
五大天王のうち、2人が集まって話をし始めた。
辺りは近寄れない、近寄らせない、そんな空気が満ちていた。