時空少女
おもしろい人
沙柚と菖蒲が2人話していると、声をかけられた。
「ちょっと、そこのお嬢さん方。」
「「え?」」
沙柚と菖蒲が一斉に振り返ると、そこには真後ろで中腰になってかがんでいる澄乃と柱にもたれながら立っている燿十がいた。
声をかけたのは澄乃のようだ。
「すっ澄乃様!後ろからいきなり声かけないでください!」
「アハハハ、ごめんごめん。」
「びっくりしましたよ!」
菖蒲は焦りながら澄乃に言う。
澄乃は悪びれた様子もなく、笑顔で謝っていた。
沙柚は柱にもたれている燿十に近づく。
「燿十、もう終わったの?」
「あぁ、待たせたな。」
「ううん。大丈夫!菖蒲さんが相手してくれたから!」
ワシャワシャと沙柚の頭を撫でる燿十と撫でられて少し照れたようにはにかむ沙柚、2人をみていた菖蒲と澄乃は目を合わせてバレないように笑っていた。
「ななな!俺な、沙柚ちゃんの話聞きたいんや〜。ええ?」
「はなし、ですか?」
「そ!何でもえーから!いや?」
「いや、じゃないですけど……」
沙柚は困ったように燿十を見た。燿十は沙柚を一度見た後言った。
「いいんじゃねーの?話っつってもお前の家とかだろうし、そんな大層な話じゃねーよ。」
「ん、わかった。澄乃さん、私でよかったら喜んで!」
にこっと笑って沙柚は言った。
「おおきに!まぁ、ただ単におしゃべりしたいだけやから気負わんといて!燿十も一緒に来るやろ?」
「ん〜………」
「燿十も一緒にいこっ!」
「………はぁ、わかった。」
笑顔でいう沙柚に否定などできなかった燿十だった。