時空少女

「お前の顔みてたらわかるっつーの。
それに、お前も俺に同じこと言ってくれたじゃねーか。"俺"を見てくれる人がいるんだ、"沙柚"も一緒だろ？」

ふっ、と薄く微笑みながら沙柚を真っ直ぐ見ながらいった。


「燿十には、なんで、バレちゃうかなぁ、」

苦笑いで沙柚は言う。だけど、嫌とは思わなかった。むしろ嬉しかった。


「澄乃も悪気はねーから、」

「うん、それはわかってるよ。」


「―――――燿十、ありがと。少し楽になった。」

ふわっと、花が咲くような笑顔で沙柚は言った。


「、一人で抱え込むなんて、そんなことすんじゃねーよ。」

「でも、」

「俺がいつでも聞いてやる。隠そうとしなくたって、いいから。」

「迷惑かけるし、」

燿十が、真剣で優しい声で沙柚に言う。沙柚は、戸惑った。


「迷惑なんて、誰がいった？」

「……でも」

――燿十は優しすぎるよ。
そんなふうな顔して言われたら、頼りたくなるよ………。

沙柚は、うー、と悩んでいると、頭に衝撃というか燿十が沙柚の頭を叩いた。バシッといい音をたてながら。


「いっ！？」

「つべこべ言わずに、頼れっつってんだよ。こっちがいいっつってんだよ。気にすることじゃねーだろ？」

「…………うん、ありがとう、燿十。」


沙柚は、燿十の目を見てしっかり見て言った。彼も満足そうに頷いて笑った。