時空少女



「<<なぜ、だ、>>」

二つの影が重なったかと思うとドサッと地に落ちた妖。その頭にわ澄乃の刀が突き刺さってある。短かった筈の刀が。
澄乃は、肩で息をし、左肩を押さえながらなんとか立っていた。


「こいつわちょっと曲者なんや、っ、やから、一撃で確実にっ、決めれる機会、待ってたんや…!」

「<<くっ、人の分際で…、よくも、!>>」

妖は、もう動ける力はないようで一歩も動かない。せめても、ということなのか睨みつける。
澄乃は、ゆっくり近付いていき、頭から刀を抜いて、未だに睨みつける妖を――――


「<<よくもっ、覚えておれ、!人なんぞ所詮弱き生き物!そのうち我ら妖に殺されるがいいっ!>>」

「たしかに人わ弱いんや。けど、1人じゃないなら頑張れる、強くなれる、そんな生き物や。お前にわ理解できんやろけど……、」


―――――切った。


「<<ぐぞっ、ぐぁあぁあ>>」

「すまんなぁ、」


妖わ灰となって消えた。



< 75 / 77 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop