時空少女
「―――こんなかんじかな?まぁ、燿十に関しての詳しい話は本人から聞きぃ。」
「…すごい出会いだね。」
沙柚は妖の闘いなんて想像すらできないが、分かったことがあった。
―――燿十が時々みせる瞳は過去に繋がるということ。
沙柚にとって、あの瞳が映す…孤独、哀愁、悲愴……それらの色は胸が苦しくなるくらい悲しかった。
燿十には、そんな瞳をしてほしくなかった。
(だから――――)
「沙柚ちゃんは、みんなを同じように見ることができる。それわ、燿十にとって凄く大切なことなんや。やから……燿十を頼むで!」
「うんっ!」
ニカッと笑う澄乃に応えるように沙柚も笑った。
私は燿十の力になりたい。
燿十の……
………傍にいたい。