(短編)フォンダンショコラ
思いがけない再会
もし、もし、またもう一度彼に逢えるなら・・・。
なるべく考えないようにしながらも、あたしは心の隅で、いつもそう願っていた。
逢って、なにがしたい、ということはなかった。
ただ、彼が幸せそうに笑う姿を、せめてもう一度見たかった。
本当に小さな、ささやかな願い。
だからそれが叶うとは、夢にも思っていなかったんだ。