(短編)フォンダンショコラ
ーーーああ、すきだな。
一瞬で、戻ってしまう。どうしようもなく、あの時閉じ込めた気持ちが、溢れ出す。
「えー・・・。隼人が決めたのがよかったのになぁ。」
けれど、隼人の隣にはもう別のコがいるんだ。
あの日、選んだのはあたしなんだ。隼人との未来を拒んだのは、あたしなんだから。
泣くな。泣くな。泣くな。
絶対振り返らない。何もなかったように、レジに向かって買って、早く帰ろう。
そして何もなかったように、トリュフとブラウニー作るんだ。
そういう予定だったんだから。
「ごめん、でもホント、俺こうゆうの選ぶの苦手だから。」
「優柔不断なの?」
「かもな。」
「え、そうなんだっ。そんなふうに見えない。」
あたしは早歩きでそこから立ち去った。どれだけ離れても、二人の声がまだ聞こえてくる気がした。ラッピングコーナーから、レジはかなり離れている。けれどレジから見えない位置じゃない。
あたしは目は悪いけど、わずかに視界の端にぼんやりとした二人の姿がうつる。見ないようにしながらも、どうしても気になってしまう。
とにかく、気付かれる前に、早く出なきゃ。
これ以上、二人の声も姿も、聞きたくないし、見たくない。
あたしはやっぱり馬鹿だ。いつかこんな未来が来ることをわかってたはずなのに。受け入れられるほど、強くないって、知ってたのに。
なのに彼から離れた。
自業自得なんだ。きっと神様が教えてくれたんだ。
諦めろ、って。
いつか再会できたら、あわよくば・・・ってどこかで思ってたあたしの目を、覚まさせてくれたんだ。
一瞬で、戻ってしまう。どうしようもなく、あの時閉じ込めた気持ちが、溢れ出す。
「えー・・・。隼人が決めたのがよかったのになぁ。」
けれど、隼人の隣にはもう別のコがいるんだ。
あの日、選んだのはあたしなんだ。隼人との未来を拒んだのは、あたしなんだから。
泣くな。泣くな。泣くな。
絶対振り返らない。何もなかったように、レジに向かって買って、早く帰ろう。
そして何もなかったように、トリュフとブラウニー作るんだ。
そういう予定だったんだから。
「ごめん、でもホント、俺こうゆうの選ぶの苦手だから。」
「優柔不断なの?」
「かもな。」
「え、そうなんだっ。そんなふうに見えない。」
あたしは早歩きでそこから立ち去った。どれだけ離れても、二人の声がまだ聞こえてくる気がした。ラッピングコーナーから、レジはかなり離れている。けれどレジから見えない位置じゃない。
あたしは目は悪いけど、わずかに視界の端にぼんやりとした二人の姿がうつる。見ないようにしながらも、どうしても気になってしまう。
とにかく、気付かれる前に、早く出なきゃ。
これ以上、二人の声も姿も、聞きたくないし、見たくない。
あたしはやっぱり馬鹿だ。いつかこんな未来が来ることをわかってたはずなのに。受け入れられるほど、強くないって、知ってたのに。
なのに彼から離れた。
自業自得なんだ。きっと神様が教えてくれたんだ。
諦めろ、って。
いつか再会できたら、あわよくば・・・ってどこかで思ってたあたしの目を、覚まさせてくれたんだ。