【続】俺様甘甘王子様
そんな時だった、コンビニの扉が開く音と、店員さんの声がした。次の瞬間に、空耳なんじゃないか?と疑うほどの声がした。
『ねぇ龍!私アイス食べたい!』
『まだ寒いのに、馬鹿じゃねェの?!』
全ての時間が止まったような気がした。頭が一瞬、今の状況に追い付かなくなって、顔を向けるのも拒んでしまう。
――龍?
顔を見て確かめる必要なんかない。だって、この声は、龍のものなんだから。
『先輩?』
三田君は、固まっているあたしに声をかける。そんな三田君の声も、今のあたしには届いていなかった。
すると、2人の足音がだんだんとこちらへ近づいてきた。
「……!」
その2人を目の前にして、あたしは目を見開く。