【続】俺様甘甘王子様
ヤキモチト、センセンフコク?
コンビニから少し離れた距離で止まるあたしと三田君、あたしはすごい勢いで走ったために、息を切らしている。三田君はあまり息を切らしていないようで、ちっとも焦った様子はなく、冷静だった。
龍たちから逃げたあたし。そして、あたしは三田君を巻き込んでしまった。それなのに、三田君はあたしを怒ろうとはしなかった。あたしはそのことに対して、三田君に問う。
「……はぁ、はぁ……。……どうして、怒らないの?」
『え?』
「勝手に手を引っ張って、勝手に巻き込んじゃって…なのに、それなのにどうして、三田君は怒ったりしないの?!」
『正直、嬉しかったです。……怒る理由なんてないです』
あたしはそう言った三田君の顔を見て、真剣だってすぐにわかった。三田君の瞳は、まっすぐとあたしのことをとらえている。そのまま三田君は、話を続けた。
『俺は嘘ついたのに、先輩は正直に本当のこと話してくれて……』
「それは…」
『嬉しかったです』
「でも、私は逃げたじゃない。正直なことを言っても、ダメだったわね」
『……先輩、落ち込まないでください』