【続】俺様甘甘王子様
『俺やっぱモテモテ~』
余裕ぶった声が隣から聞こえる。龍だ。
――何よ、喜んじゃって…
少しその行動にムスッとなったあたし。
『雅、怒ってんの?何、ヤキモチ?』
「なっ…!あんたなんかに、餅焼くわけないじゃない!」
『だって、口とんがってんぞ。ふっ、わかりやすい』
龍に指で軽く唇を触れられ、あたしは反射的に唇をひっこめた。
『…ふはっ』
今度は軽く噴き出すように笑った龍。
龍には、あたしの心の中が丸見えなようだ。
『てかさ~何であんこは言われないわけ?』
『俺も~』
そんなあたしたちの脇では、あんこちゃんと愁君が手を挙げてあたしたちに訴える。
――それは、あんたらが校内1のバカップルだからに決まってるからよ!!
と心の中でのツッコミをいれていた。あんこちゃんと愁君は、教室の中でも繋いだ手を離さない。
――どんだけ好きあってるのよ。