【続】俺様甘甘王子様



『先輩、どうしたんですか』

「えっと、その今朝のことなんだけど……」

『今朝?あ、彼氏さんと言い合いになったのですか?』

「うん、それもだけど。三田君はどうしてあそこまでしてくれるの?」


あたしは少し小さめな声で言う。三田君の顔を見上げると、いつにもまして真剣な表情をしていた。


『なんででしょうね、俺にもわかりません』


そう言った三田君はあたしのことを見下ろす。


「わからないって、何よ」


そう言ってあたしはつい笑ってしまう。だって、三田君は他人の恋愛のいざこざに巻き込まれているのに、文句を言うどころかあたしを守ってくれるんだもの。


『先輩の、その笑顔……好きです』


三田君はそう言って、優しく笑った。





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