【続】俺様甘甘王子様
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『ってことなんだ。ごめんな、話してなくて。ちょっと話すの躊躇ってた。話したら、俺雅に嫌われるんじゃねぇかなって思って』
「何よそれ……そんなわけないじゃない」
龍の口から、先生との過去の話を聞いたあたしは、泣きそうになった。
『雅、泣いてんの?』
「ち、ちがうわよ!」
また顔を覗いてきた龍。あたしはすぐに顔をそらした。
『これだけは言っておく。俺は雅が好きだ。広佳はただの幼馴染みだから』
あたしはそむけていた顔を、龍の方へと向けた。
「龍……」
『でも、関わりを無くすことはできないから、それだけはわかっていてくれ』
「うん。わがまま言ってごめんね」
『どこがわがままなんだよ……可愛いくらいだってのそんなこと』