【続】俺様甘甘王子様
わかっているつもりでも、やっぱり内心認めたくなかった。
「なあ、蜜」
『ん?』
「俺、やっぱり先輩が好き……かも」
『かも、じゃねぇだろ。それくらい俺はわかってるっつの』
「でもさ、…………」
『なんだよ』
「いや、なんでもない。さ、早く片付け終わらせよ!」
先輩には彼氏がいるし、その彼氏と喧嘩をしたところに、入り込んでいった俺はずるいかもしれない。でも、体育祭のあのとき、きっとチャンスだ、って思った。
『遥翔、お前はただ少し出会うタイミングが遅かっただけだよ』
椅子を片付けようと、椅子を持ち上げた俺に、蜜がそう言った。蜜は、よく人の心がわかるみたいだ。