【続】俺様甘甘王子様
グウゼンノ、カサナリ
あたしはあのあと、すぐに帰りのバスに乗った。
――数分前まで、あんなに楽しかったのに、どうして今あたしは一人で帰ってるんだろうか。
彼女を目の前にしながら、幼馴染みのもとへと走っていく龍に、怒りの感情なんて出ないくらいだった。
あたしはバスを降り、自宅へと重たい足を動かしながら歩く。
今、龍が走ってあたしに会いに来てくれたら、あたしはきっと許すだろう。龍に泣きながら抱きしめて、離さないかもしれない。
「あ」
あたしは、目の前の彼の姿に声を漏らした。