【続】俺様甘甘王子様
――遥翔 side――
部活が終わり、自宅へ帰っている途中に、偶然にも雅先輩とバッタリ会った。
『あ』
彼女の小さな声がしたあとに、俺はすぐに話しかける。
「あれ、先輩?お出かけですか?」
先輩の私服を見るのは、スーパーでのとき以来だ。そんな先輩に、普段と変わりなく普通に話しかけてみる。しかし、彼女の様子は、普段とは全く違ったものだった。
『どうして……いるのよ』
「部活帰りですよ」
『そうじゃなくて……』
――先輩は何が言いたいのだろう?
俺は不思議に思った。