【続】俺様甘甘王子様
キョリヲ、オコウ
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あれから、龍から何度も連絡があったが、あたしには出る勇気がなかった。それでも、龍は伝言を残すのだった。『ごめん』って、何度も謝っているのだった。
――ピンポーン
夏休みが終わるまであと1週間のころ、あたしの家のチャイムが鳴った。あたしは、ゆっくりと玄関へと向かう。
『雅』
ドアの向こうから聞こえてきたのは、電話の伝言と同じ声……龍の声だった。その声を聞いたあたしは、ドアを開けるのをためらう。
『雅、そのままでいいから聞いて』
龍はあたしの足音が聞こえたのか、話をつづけた。
『あの日は本当にごめん。前にも言ったけど、広佳とはただの幼馴染みで、それ以下でもそれ以上でもない。やましいことは何一つしてない。俺が好きなのは、雅だけだから。それだけはわかってほしい』
――ガチャッ
あたしは、扉を開ける。