【続】俺様甘甘王子様
『あんこ、何も聞いてないよ!突然、何が起こってるの!?』
あんこちゃんは、だいぶ慌てていた。それとは反対に、あたしは冷静だった。
まだ授業までは時間があった。この教室で話すのには、少し気が引けたあたしは、2人を誘って、裏庭のベンチへと移動した。
「先に謝るね、本当に何も言ってなくてごめん」
『雅、夏休みに何かあった?』
あさみんのゆっくりとした口調に、心が落ち着き、あたしは水族館でのことを話した。もちろん、そのあとの三田君とのことも話したのだった。
『大変だったね、雅。でも、本当に距離を置くことが正解だったのかな?』
あさみんは、そう言った。あたしは思わず言葉が詰まってしまう。